ヒューマンライブラリPart.5:フリーター経験のある社員へのインタビュー
<1、3、4の文責・榎澤幸広(名古屋学院大学現代社会学部准教授)、2の文責・國吉陽介(株式会社アイエスエフネット ダイバーイン雇用委員会 委員長)>
1.はじめに
今回はフリーター経験のある社員です。
登壇社員への質問作成において、ゼミ生たちが最も苦労したのが今回の登壇社員に対する質問でした。
理由は、アイエスエフネットからいただいた登壇社員一覧には「ニート・フリーター」と記載されていたからでした。
この2つの単語に関して、例えば、厚生労働省ホームページ内にある『平成24年 雇用政策研究会 第1回資料』によれば、以下のような定義が示されています
(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002790h-att/2r98520000027bo1.pdf)。
【ニート】15~34歳で、非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者
【フリーター】男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者とし、
- 雇用者のうち勤め先における呼称が「パート」又は「アルバイト」である者、
- 完全失業者のうち探している仕事の形態が「パート・アルバイト」の者、
- 非労働力人口のうち希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」で、家事・通学等していない者
要するに、「働いているか働いていないか」という決定的な違いが彼らの戸惑いの原因でした。
彼らは悩みはしたものの最終的に、①どちらの場合であっても対応できる質問、②ニート経験がある場合の質問、③フリーター経験がある場合の質問の三種類を用意し当日臨みました(ちなみに、私自身は戸惑いながらも彼らの成長する姿が見て取れたので、アイエスエフネットにどちらの経験者が登壇するのか確認しませんでしたし、ゼミ生には双方の観点から考えるとよいとアドバイスしております)。
しかし、そのような入念な準備をしたにも関わらず、3.の学生コメントを読む限り、インタビュー開始前までは、「ニート・フリーター=働きたくない、就職したくないという人」というマイナスなイメージに引っ張られてしまった学生もいたようです。ただ、今回登壇してくださった社員は学生たちに、①フリーターもさまざまな人がいること、②多様な働き方の選択肢のひとつであるということなどをリアルに気づかせてくれました。
上記の話が関係する3.の学生コメントから読み進めていただいてもかまわないのですが、彼らのコメントをより深く味わっていただくためにも、2.において、アイエスエフネット側が社内での取り組みを記載してくださっております。また、登壇したフリーター経験のある社員本人の了解を得られる範囲内のプロフィールもここにて紹介されておりますので、一読していただけたらと思います。
2.アイエスエフネットの取り組み&フリーター経験のある社員に関して
アイエスエフネットグループが掲げる人権方針に基づき、当社では「ダイバーイン(※1)雇用」に取り組んでいます。個人が抱えるさまざまな特性や個性によって就労困難な方に対し、環境や仕組みをつくり上げることで本人や周りの方々が働ける場を提供することが目標です。
ニート・フリーターの経験しかない求職者は、多くの企業側が求める、「社会人としてのあたりまえの常識の習得」とともに、「年齢に相応する業務知識・経験」を満たしていないと取られることが多く、その結果、たとえ真剣に求職活動を行ったとしても、正社員としての就職は非常に困難であるといわれています。
アイエスエフネットグループでは、ダイバーイン雇用(自己申告による)の項目に該当される方に対して、その項目に該当していることを理由に採用の合否を決定しません。その方の過去は重視せず、未来への意識を持った方、当グループの倫理などの習得に向けて努力をしていただける方の採用を行っています。
(※1)ダイバーシティとインクルージョンを掛け合わせたアイエスエフネット独自の言葉
【登壇者のご紹介】
氏名:
Y.A.さん
自己紹介:
コーヒーが好きで、地元や旅行先でのカフェ巡りが趣味です。
自宅でも淹れて飲むことが多く、休日に読む本を探すことも楽しみの1つです。
学生さんに向けたメッセージ:
インタビューをしてくださった皆さま、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
質問の内容や言葉1つ1つに皆さまの想いや、お心遣いを感じ、温かい気持ちでお時間を過ごすことができました。
今後皆さまの取り組みがより社会に広がり、さまざまな生き方の選択肢があるということ、社会全体からの理解が生まれること、1人の理解が利他の心で少しずつでも広がりたくさんの方々がより過ごしやすい社会になることを期待しております。
会社に向けたメッセージ:
未経験で入社し、現在私自身の強みを活かした仕事をさせていただいております。
社員の意見を聞き、日々ブラッシュアップされる会社の仕組み、周りにいる皆さまがひとりひとりのことを考えどのようにしたらその人が輝けるのかを一緒に悩んでくださいます。
私自身が自分の新たな強みを見つけ、業務に専念できるようにご入社いただいた皆さまにもそれぞれ輝ける場所があります。
皆さまが私にしてくださったように、今後は私も一緒に悩み考え一緒に輝ける場所をつくっていきます。
3.学生のコメント
ここでは7人の学生コメントを取り上げたいと思います。
- この方のインタビューで一番印象に残ったことは、働いていない期間はほぼなくてフリーターとして働いていたということです。属性のくくりがニート、フリーターという枠になっていたので前者のイメージに引っ張られてしまっていました。
実際にインタビューを聞いてみて、就職活動をしっかりされていたり、今の仕事のよかった点に「感謝されること」を挙げられているところにとてもやりがいを感じていて素晴らしい方だなと思いました。
前職との違いの質問に対し、周囲の人との関係性などアイエスエフネットが会社として力を入れているところを挙げられており、互いにいい関係を築けているなと思いました。
さらにアイエスエフネットが他の会社に比べて残業が少ないことが強みであるそうで、その点も前職との違いでおっしゃっていたのですごいと思いました。
(m.k) - Y.A.さんは以前フリーターを経験したことのある社員さんです。
以前は飲食店やブライダル業界で働いていましたが、コロナの影響で収入が不安定になりました。転職するにあたり、「自分に合った仕事とはなんだろう」と感じ、フリーターという道を選んだそうです。
Y.A.さんがアイエスエフネットに入社したきっかけは、社内の人間関係のよさや社風にひかれたからとおっしゃっていました。
実際一緒に仕事をしている社員の方は、Y.A.さんの成長を自分のことのように喜んでくれる方たちで、それがやりがいになり、自分も誰かのために頑張りたいと思うようになったそうです。
正社員として働き続けられているのは、こういった周囲の方のおかげだとおっしゃっていました。アイエスエフネットには人間性に優れた方がたくさん集まっていることがよくわかりました。
また今以上にアイエスエフネットをよくするために求めることは、社員がたくさんいるため、もっとひとりひとりの声が拾い上げられるといいとおっしゃっていました。
ひとりひとりの社員をとても大切にされているアイエスエフネットですが、もっと多くの社員の方の意見や考え方がもっと取り上げられれば、よりよい会社づくりにつなげられると感じました。
(T.H) - 多様な働き方がある現代社会、今回はその1つであるフリーターであった、アイエスエフネットで働くY.A.さんから学ぶことができました。
アイエスエフネットには完全未経験で入社したY.A.さんでしたが、時間をかけて業務を教えてくれるし、社員の皆さんが成功を喜んでくれたとのことです。
それらの話を聞いて、私は人間関係の理想形態だと気づかされました。特に未経験者に対しては他の企業にはないくらい時間をかけてサポートを行っているとのことでした。
お話の中で私が一番感動したことが、自分のした仕事に対してお礼が届くということで、アイエスエフネットは「ありがとう」を大事にする会社であることでした。
フリーターと聞いてマイナスなイメージを持つことがあるかも知れません。
しかし実際には、Y.A.さんのように自分の可能性を大事にし、働き方や経験を通して答えを見つける期間としてフリーターを選んでいる方もいることを知ることができたので、そのことは就活の一環と捉えることもできると思います。
アイエスエフネットはフリーターの方に対してこのように深く考えているからこそ、偏見のない誰もが働きやすい環境があるのではないかと考えることができました。 - 私は今回のヒューマンライブラリを行うまでニート・フリーターという言葉に対してあまりよいイメージを持っていませんでした。
ニート・フリーターというと働かない、就職したくないというようなイメージを持っていました。しかし、実際にフリーターだった方の話を聞いてとてもしっかりされている方で驚きました。
ニート・フリーターといっても自身の経験や望む仕事のために考えた上でそうした選択をする方もいるのだと知りました。
このような選択をすることができた背景としてアイエスエフネットの行っている未経験の方への1か月の研修があるのだと思います。
アイエスエフネットでは未経験の方への研修が他の会社に比べて充実していることからも、ニート・フリーターの方でも働くことができる環境が整っているのだと思いました。
(N.S) - 私が印象に残った点は2つあります。
1つ目は、当事者の方が仕事に対する意欲が高いことです。
私は当事者の方に話を聞くまでは働く意思がない人だと思っていました。
しかし、フリーターになった理由も、働くことが嫌だからというわけではなく自分の経験になるからという理由でした。
私はこの話を聞いてフリーターの方に偏見を持っていることに気づきました。
2つ目は、アイエスエフネットの職場環境が働きやすくなっていると思ったことです。
なぜなら、会社から社員へのサポートの話が多かったからです。
例えば、新入社員は1か月の研修があり、そこでビジネスマナーなどを学ぶことができることや残業時間が少ないという話を聞きました。
他にも会社の魅力について多く話していて、社員の方がそのように思っているのなら非常に働きやすい職場であるのだと伝わってきました。 - フリーターの方へインタビューする前、どのような質問がよいのか、この質問によって心を傷つけてしまわないかとかなり悩みましたが、実際は気さくな方でとても聞いていて面白かったです。
私が1番気になっていたのは、アイエスエフネットに入ろうと思ったきっかけでした。
この点については、前職でいろいろあり職を探していた時、他社にはないような取り組みをしているアイエスエフネットに魅力を感じたからとのことでした。
私も同じような立場に立たされた時、普通の会社よりも先進的なことを進んでやっている会社を選びたいと思いました。
フリーターの方に限らず他の方もおっしゃっていたのですが、こういう機会を通して知見を広げて行ければと感じました。 - コロナ期に、収入が不安定になったことでフリーターとしてさまざまな職場、職業を経験したY.A.さん。
人間関係や、社風にひかれて入社を決めた後、続けていられる理由の1つとして人間関係がよく、やりがいを感じられることを挙げられていたことから、アイエスエフネットが入社前と入社後でギャップがないことがわかりました。
新人研修の担当をしているY.A.さんは新人研修の内容を少し教えてくださいました。
ヒューマンスキル、ビジネスマナー、IT知識の研修など、組織で働くことの基礎を丁寧に教示しているとお聞きし、新しい環境で不安を持つ新入社員でも安心して働けるのだと感じました。
また、新人研修のお仕事をされている中で同業者のヒアリングを行った際、感謝の言葉があって、とても嬉しかったとおっしゃられていたY.A.さん。そのことから新人研修の実態が名ばかりのものでなく、Y.A.さんがいかに新入社員に寄り添い、力添えになっているのかが読み取れました。
そして、今以上に会社をよくするために、より多くの社員からの声を拾い上げ、ブラッシュアップすることとおっしゃられたY.A.さんから周囲を気遣う人間性を感じられました。
4.次回予告
次回は、LGBTQIA(性自認)社員です。今回と同様、インタビューした学生コメントなどを3月29日頃掲載予定ですので、引き続き閲覧していただけたらと思います!
アイエスエフネットではエンジニアを採用中!
(閲覧できない場合、当社のHPからお進みください)
社員動画も配信中!
アイエスエフネット公式 YouTubeチャンネル:ISF NET TV (ITV)
ISF NET TVでは、ITにまつわる動画や、採用ワンポイントなど、みんなの気になる話題をフカボリ!
アイエスエフネットを少しでも気になってもらえたら嬉しいと思いつつ、日々動画制作しております。
※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。