【沼津支店インタビュー Part2】トランスジェンダー当事者の2人が語るアイエスエフネットの奇跡~トランスジェンダー女性が語るアイエスエフネットのサポート制度と社会に求めるもの~
こんにちは!広報担当の溝田です(^^)/
1年も半分が終わり、あっという間に7月を迎えましたね。
6月はプライド月間ということで、名古屋でもレインボープライドが実施されました!
アイエスエフネットからも、たくさんの従業員とそのご家族がパレードに参加してきました♪
前回のブログでは、「トランスジェンダー女性」としてMさんとHさんがアイエスエフネットに入社するまでのお話やホルモン治療など、ご自身のご経験を語ってくださいました。
対談中に思わぬ奇跡が起こるなど、素敵なお話を聞かせていただいています!
まだご覧になっていない方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください(^^)/
https://www.isfnet.co.jp/isfnet_blog/index.php/2024/06/27/2958/
Part2では、過去のご経験やホルモン治療などを通して、MさんとHさんがアイエスエフネットに対してどのようなサポートを感じられているのか、また社会に求められていることについてお話を伺ってきました。
それではどうぞ!
(※1)トランスジェンダーフラッグ:アメリカのトランスジェンダー女性であるMonica Helmsによって1999年にデザインされ、それぞれの色に込められた意味があります。
水色:男の子の伝統的な色
ピンク:女の子の伝統的な色
白:ジェンダー移行中の人たち、ニュートラルまたは未定義の性別と感じている人たち、性分化疾患の人たちのための色
アイエスエフネットのサポート制度
~ワーキングネーム(※2)~
(※2)ワーキングネーム:
職場や仕事の場で使用する、戸籍上の名前とは別の名前や苗字。
アイエスエフネットでは結婚等によって姓が変わった場合、または特段の事情がある場合は、希望するとワーキングネームを使用することができます。
Mさん:
これまでアルバイトや前職において、ワーキングネームの使用を認められているところはなかったです。私がアイエスエフネットに入社したときには、すでに戸籍上の性別や名前の変更を行っていたので、入社当初から現在の戸籍上の名前を使用しています。
Hさん:
私も前職ではなかったですね。アイエスエフネットに入社した当時は、保険や書面等の手続きについてあまり理解できていなかったので今でもワーキングネームは使用していないのですが、アイエスエフネットは途中からでも変更できる仕組みになっているので、とてもありがたいです。
また、戸籍変更時に通称名で使用しているという実績が分かるものが必要になるので、ワーキングネームを証明として提出すればスムーズかなとも思います。
Mさん:
Hさんには、入社時からワーキングネームの使用についてもっとサポートできていればと思う所はありますが、当時は現在ほどワーキングネームの利用に関する周知が十分ではなかったです。
現在では、採用や人事部門が周知をしっかり行ってくださっていると思うので、今後入社される方にはスムーズに利用いただけると思います。
途中から変更できるのもアイエスエフネットの強みです!
Hさん:
そうですね、提出書類をそろえれば変更できる点は嬉しいなと思います(^^)
~婦人科検診~
Mさん:
当社の規定で、性別に関わらず婦人科検診の受診ができるようになっていますね。数年前の調査ですが、ホルモン治療を受けるトランスジェンダー女性の乳がんリスクは、シスジェンダー男性(※3)より高いという調査結果(※4)があり、不安があります。私のように戸籍を変更していると、受診の案内を受けられるのですが、そうでない方はまだまだ制度が整っていないと受けられない方が多いと思います。
Hさん:
私もまだいいのかなという気持ちで婦人科検診は受けていないのですが、会社で希望をすれば受けられるというのは安心感があります。
Mさん:
やはり治療を続けていると不安になると思うんです。性別適合手術を受けないという選択をされる方も多い中で、制度が整っているのはとても良いことですよね。
(※3)シスジェンダー:身体的性(からだの性)と、性自認(こころの性)が一致している人のこと。引用:OUT JAPAN
(※4)引用:メディカルオンライン
~セルフケア休暇(※5)~
(※5)セルフケア休暇:
医師の診断のもと不妊治療や性別適合手術・ホルモン治療を行う社員は、必要な期間休暇を取得でき、そのうち月1日については有給休暇を取得できます。
Mさん:
個人差はありますが、人によってはホルモン治療の影響で1日中動けなくなる方もいらっしゃいますよね。
Hさん:
私は動けないです。治療を開始したころはそこまでなかったのですが、最近は午前中に治療を受けると午後はぐったりしてしまって。そんな時にMさんにセルフケア休暇のことを伺って、制度を利用するようになりました。
Mさん:
人によっては、頭痛や倦怠感、吐き気や嘔吐など症状が異なりますよね。性ホルモンに関わるところなので、個人差があるとはいえ副作用もつきものです。
私は今でも時々副作用の症状が出ることがあって、セルフケア休暇を利用しており、とても助かっています。
Hさん:
仕事を気にせず身体を休ませることができると思うと、メンタル的にも楽になりますよね。
Mさん:
本当にそうですよね。
また、私が性別適合手術を受けたのはアイエスエフネットへ入社する前ですが、手術後から社会復帰するまでに半年程かかりました。特に最初の3か月くらいは、基本的にベッドの上で過ごすことが多く、日々の自己ケアも大変で身体的にも精神的にも辛かったです。
手術内容によりますが、私は仕事との両立は正直難しかったですし、それが原因で性別適合手術になかなか踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
もし今後Hさんが性別適合手術を受けられる際には、アイエスエフネットに戻ってきていただきたいですし、いろいろとサポートできたらなと思っています。
Hさん:
ありがとうございます・・・!会社の制度はもちろんですが、そのような経験をされてきた方がいらっしゃるのはやはり心強いです。
Mさん:
アイエスエフネットもそうですが、さまざまな企業で制度が整いつつある状況です。今後さらなる制度を期待したいですね。
実際に私は、性別適合手術を理由に前職を辞めた経験があるので、今後性別適合手術やホルモン治療を検討されている方が実際に受けられる頃にはさらにハードルが下がっていればいいなと思います。
課題や今後について
Mさん:
トランスジェンダー女性にとって、ホルモン治療や性別適合手術をしても、声や骨格などは変化しないため、困ったりする場面がどうしてもあります。
声については、これまでにボイストレーニング等の努力はしたものの、なかなか思うようにはなっていません。
Hさん:
声変わりや身体の成長を経ての今なので、努力だけでは難しいところもありますよね・・・。
Mさん:
そうですね。電話やインターホンで男性と判断されたり、街を歩いていても二度見をされたり、今でもときどき嫌な思いをすることがあります。
あとは、普段の生活では大丈夫でも、お酒の場になるとトラブルが起きることがあります。私も過去にトラブルを経験してきたからこそ、今では安心できる仲間以外とは基本的にお酒の場には行かなくなりました。
Hさん:
心無いことを言ってくる方、酔って言ったことを忘れてしまう方も多いですよね。
私は体質的にお酒が飲めないので、こちらが言われて傷ついても言った本人は覚えていないということがありました。
Mさん:
当事者から指摘することはそもそも難しいですし、周囲の人たちから声をあげて指摘できるような環境づくりができると、当事者も安心してそういった場に参加できるようになると思います。
Hさん:
あと私が困っていることは、今後性別適合手術を受けることになった際に長期間の療養に入りますので、仕事の調整をどうしたらいいのかという点です。特に私はお客さま先に常駐していて、お客さまにはカミングアウトしていません。そのため、仕事の調整についてイメージがついていないというところです。
Mさん:
手術も予約が1年以上先になってしまう場合もあるので、事前調整をしっかり行っていきたいですね。手術を視野に入れているからこそ不安なところだと思うので、しっかりサポートできればと思います。
アイエスエフネットに入社をして
Hさん:
過ごしやすいというのが第一かなと思います。
自分の個性のみならず、スキルや業務の面でも親身に寄り添っていただいているなと感じています。同じ境遇の方やそうでない方とも高め合える、頑張っていきたいと思える職場です。
Mさん:
私が入社して7年になりますが、この7年間でもどんどん新しい制度が取り入れられており、アイエスエフネットは本当にすごいなと感じています。
社会の動きや当事者の要望に対して、会社として臨機応変に動いてくれる環境には感謝しかありません。
今後もより良い環境になっていくのではないかと感じていますが、当事者としての意見も発信できたらと思います。
先ほどの、ホルモン治療での特別休暇なんてとてもありがたい制度ですよね。
Hさん:
アイエスエフネット以外ではあまり聞いたことがなかった制度なので、今本当に助かっています。
土日に隔週で治療を受けるとなると、身体も気持ちも休まらないので・・・。
Mさん:
そうですよね。
あとは一緒に働く方の人間性ですね。アイエスエフネットにはISC(※6)というものがありますが、今は本当に周りの方に恵まれていると思います。
(※6)ISC(ISF NET Standard Concept):
アイエスエフネットは、人間関係によるストレスを感じることのない「この人と一緒に働きたいという人だけがいる会社」を目指しています。
Hさん:
入社時から自分のことを理解していただいて、受け入れてくれて良い環境で働くことができています。
Mさん:
あとは、LGBTQIAの社内コミュニティをなんとか立ち上げたいですね!
以前に私とHさんで月1回程度の交流の場を作っていたのですが、まだコミュニティとしては軌道に乗っていない状況です。
Hさん:
トランスジェンダーのコミュニティって意外と少ないなと感じています。オープンにせずに、一人で情報を集める方が多いイメージです。トランスジェンダーに関わらず、同じような悩みを抱えられている方の輪を広げられると嬉しいですね。
Mさん:
そうですね。もちろん個人差はありますが、トランスジェンダーの方で人前に立って活動をされている方はほんの一部で、多くの人は人前に立たず平穏に過ごすことを望んでいると思います。私も以前はそうでした。
最近では多様性も認められる社会になってきて、当事者の方が声を挙げられる機会も増えましたが、全員が全員そうではないんですよね。
何かしらの不安を感じている方や、コミュニティを求めている方が集まって、お互いの情報や経験を共有できれば不安を少しでも解消するきっかけにもなると思います。
沼津支店の魅力
Hさん:
常駐先や住まいが離れていることもあって支店に行くことが少ないのですが、働く上でアイエスエフネットはもちろん、沼津支店には安心感しかないです。
同じ境遇のMさんがいてくださること、相談できる環境が整っていることは当事者としても従業員としても安心して働くことができています。
実はまだMさんとは直接お会いできていないので、近いうちにぜひお会いできたら嬉しいです(^^)
Mさん:
本当にお会いしたいですね!ぜひご飯でも行きましょう♪
対談を終えて
Mさん、Hさん、対談の機会をいただきありがとうございました!!
当初30分~1時間を予定していた対談でしたが、これまでのご経験や想いなど、マジョリティ目線では想像ができない範囲のお話をお伺いでき、1時間半にも及ぶ対談になりました。
対談の中でお二人が何度も口にされていた「トランスジェンダーも十人十色」という言葉が印象的で、「トランスジェンダーが十人いれば、見た目や考え方も十通りある」という、理解していたつもりでも本質は理解できていなかったと考えさせられました。
6月のプライド月間を経て、読者の皆さんは多様性についてどのようなことを考えられたでしょうか?
今回の記事で、少しでも皆さんの胸に響くものがあれば嬉しいです(^^)
沼津支店インタビュー、最後までご覧いただきありがとうございました!
次回のブログもお楽しみに♪
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※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。