IoTで変わるインフラと生活

こんにちは!ブログ更新担当の永田です。

3回にわたり、IoTについてお話をしてきました。
今回は、そのIoTが具体的にどんなふうに私たちの生活を変えようとしているのか、お客様から教えていただいた事例を参考に、実際に進んでいる取り組みを紹介してみようと思います。

地方での高齢化が進むとともに、課題になるのは医療費。

その課題をIoTなどさまざまな先進的なテクノロジーで、産・官・学・医・薬の業界が協力して解決しようと取り組んでいるのが、「会津若松市IoTヘルスケアプラットフォーム事業」。これが、IoTを通して私たちの医療に対する考え方を変えてしまうかも知れないのです。

ぜ会津若松?

福島にある会津若松市は、かつて城下町として栄えましたが、今では高齢化が進み、現在の人口は12万人ほど。会津若松には「学生数に対するベンチャー企業創出数」が全国1位のICT専門大学の会津大学があり、各地から多くの学生が入学しています。しかし、その若者世代も知識と一緒に会津を離れてしまうのが現状のようです。

大学の影響もあってか、ITの意識が強い会津若松市は、スマートシティ化、IoTの活用など、IT会社の経営の経験があるという会津若松市長を先頭に新しい取り組みを行っているようで、

スマートシティ」、「デジタルマーケティング」、そして「IoTヘルスケア

会津若松市の取り組みを調べてみると、たくさんおもしろそうなキーワードが出てきます。

療業界はIoTの導入でどう変わる?

まず、現在実験的にテストユーザーを募集して健康状態を管理できるIoTデバイスを配布。
例えば薬箱。どの薬が消費されるようになったか?薬がきちんと服薬されているか?
など、モニタリングしてくれます。

他にも、心拍や運動量をモニタリングしてくれるウェアラブルデバイス睡眠時間を記録してくれるセンサーをベッドなどに設定。このデータを元に各団体がさまざまなサービスを展開したり、自治体がデータを元に健康指導することで、病気にならないように健康管理ができます。

また、健康状態に合わせた食事をレシピサイトが提供したり、保険会社が各自に合わせた健康情報を提供することで、より個人に寄り添ったサービスの提供が可能になります。

そして、なにか変化があった時は、健康診断に行くよう催促してくれます。例えば、30代の働き盛りの方は何かと忙しくて、健康診断に来ない方が多いそうです。しかし、この時期に「予防医療」を意識することで、将来的なリスクがだいぶ減るそうです

初期投資としては莫大なものに感じるかもしれませんが、国の事業としてだけでなく、民間事業にも関わることで税金ビジネスだけではなくなり、最終的には医療費が節約できるようになるそうです(現在は実験段階)。

くなってから治す」から「悪くなる前に治す」業界に

アイエスエフネットのサービスの一つに「保守」というものがあります。システムやインフラ基盤がダウンした際に、エンジニアが駆けつけ、状態を把握し、適切な対応をします。

それは、現在の医療と同じです。患者さんがなにか「違和感」を感じたときに病院に行き、処置を受ける。しかし、それではすでに手遅れの場合もあります。

障害が「発生」した時も同様に、すでにビジネスに影響がでている状況です。しかし、IoTのような新しい技術が導入されることにより、「トラブルを未然に防ぐ」ことができるようになります

お医者さんは、健康に関するコンサルタント的な立場で患者さんと関わることが多くなるのではないでしょうか?お医者さんのスキルや、あり方自体が今後、変わっていくかもしれませんね。

この動向は私たちのインフラ事業でも似たような動きがあるかもしれません。

れからの私たちの保守事業のあり方とは?

現在の医療現場も私たちの提供する保守業務も、業務形態は「Break and Fix」です。お客さまがすでに困っている状態を解決し、それに対価をいただけるというビジネスモデルになっています。

最近注目されているのはCondition Based Maintenance や Predictive Service という形態で、「壊さない」ビジネスモデルへの転換です。

しかし、その場合、これまで「保守」の業務に勤めていたエンジニアはどうなるのでしょうか?実際に医療機器の保守メンテナンスを行っている企業でも、故障したものを修理して対価をもらうのではなく、アウトカム セリング(Outcome Selling)という形で「成果」に対する対価をもらう形態にシフトしているようです。

今後、エンジニアに求められるスキルは、お客さまの事業を理解すること、そしてよりよいソリューションを提供できるスキルになってくるのかもしれません。

インフラ事業はハードを扱うことが多く、ハードを直す人材はいつの時代も必要です。しかし今後は、壊れる前のマネジメントや、いかに構築した環境を長く保つか、そして改善するかのサイクルマネジメントなど、直すだけの「保守」ではなくその業務の幅は今後もっと広がるかもしれませんね。

どのような技術にもとって代われない人間性やお客さまに喜んでいただける技術力の向上は、常日頃から必要なんだなと、ヒシヒシと感じる事例でした。