ダイバーシティ経営の課題と解決方法~IT企業での事例をご紹介!~

ダイバーシティ(多様性)が企業に求められる理由は、社会の多様化によってもたらされるビジネス環境の変化にあると言われています。異なる文化や価値観、性別、年齢、出身地、言語などの要素を持つ多様な人財が集まることで、創造性やイノベーションの元となり、企業にとって重要な競争力を生み出します。しかし、ダイバーシティを実現するには、従来の人事評価や採用方法の見直し、職場環境の改善など、さまざまな課題があります。本記事では、ダイバーシティがもたらすメリットや企業が取り組むべき方法、アイエスエフネットの取り組みなどを紹介し、ダイバーシティに向けた今後の展望についても考えてみたいと思います。

  1. ダイバーシティとは
  2. ダイバーシティがもたらすビジネス上のメリット
  3. ダイバーシティを実現するための方法
  4. ダイバーシティに関する課題と解決策
  5. ダイバーシティに関するアイエスエフネットの現状や取り組みの紹介
  6. まとめ

1.ダイバーシティとは
ダイバーシティとは、多様性のある状態や、多様な人財を受け入れることを意味します。人種、国籍、性別、年齢、性的指向、障がいの有無、宗教などの違いによる多様性を受け入れ、それを積極的に活用することで、企業や社会全体の競争力を高めることができます。

ダイバーシティには、人財の多様性だけでなく、考え方や文化、バックグラウンドなどにも多様性が含まれます。異なる観点から問題を見ることで、新たなアイデアや切り口が生まれ、企業や社会の創造力やイノベーション力が高まります。

近年では、多様性を重視する企業が増えており、多様な人財の採用や職場環境の改善に取り組む企業も増えています。ただ、多様性を受け入れるだけでなく、それを積極的に活用することが重要であると言えます。そのためには、多様性を認識する意識改革や、職場環境の改善などが必要です。

2.ダイバーシティがもたらすビジネス上のメリット
ダイバーシティを尊重する企業は、社員の多様性を活かし、ビジネス上で多くのメリットを享受することができます。

まず、ダイバーシティは新しいアイデアや創造性を生み出すことができます。異なる背景や文化を持つ人々が集まることで、それまでになかった斬新なアイデアが生まれることがあります。また、ダイバーシティがあることで、企業内の競争が促進され、新しいビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

さらに、ダイバーシティは企業のイメージ向上にもつながります。ダイバーシティを尊重する企業は、社会的な責任を果たす企業として認知され、社会的信頼を高めることができます。また、多様性を活かしたマーケティング戦略を採用することで、顧客層の拡大やリピート率の向上につながる可能性があります。

最後に、ダイバーシティは人財の確保や離職率低下にもつながります。企業がダイバーシティを尊重する姿勢を示すことで、多様な人財を吸引することができます。また、社員が自分自身を受け入れてもらえる環境で働けることがわかれば、離職率が低下する可能性があります。

以上のように、ダイバーシティを尊重することで、企業は多くのメリットを享受することができます。ダイバーシティは、企業のビジネス戦略にとって欠かせない要素といえるでしょう。

3.ダイバーシティを実現するための方法
ダイバーシティを実現するためには、さまざまな方法があります。まず、ダイバーシティを推進する組織文化を作ることが必要です。これは、組織のリーダーがダイバーシティを重視し、それを積極的に実践することが大切です。リーダーは、ダイバーシティを尊重し、異なる背景を持つ人々を含め、多様性を肯定するメッセージを発信することが必要です。

次に、多様な人財を確保することも大切です。これには、採用プロセスの見直しや、採用面接において偏見のない質問を行うことなどが挙げられます。また、採用後の研修プログラムにおいても、多様性に関する教育を行うことで、従業員が多様性に対して理解を深め、受け入れることができます。

さらに、ダイバーシティを推進するためには、職場でのコミュニケーションを改善することも重要です。言語や文化の違いから生じる誤解やトラブルを防ぐためには、コミュニケーションの方法や文化を理解するための研修を行うことが必要です。また、職場でのコミュニケーション手段を多様化し、異なる言語を話す人々が円滑にコミュニケーションをとれるようにすることも大切です。

最後に、ダイバーシティを実現するためには、従業員の多様なニーズに対応することも必要です。これには、柔軟な勤務体系の導入や、育児休暇や介護休暇など、従業員が仕事とプライベートを両立できるような制度の整備などが挙げられます。従業員が自分らしく働くことができる環境を整備することで、多様性を生かした働き方が実現し、企業の成長につながることが期待できます。

4.ダイバーシティに関する課題と解決策
「ダイバーシティに関する課題と解決策」では、多様性を実現する上で直面する課題とその解決策について解説します。

ダイバーシティにおける課題としては、まずは多様性の認識不足が挙げられます。多様性を尊重することがビジネスの成功につながるという認識が浸透していない企業も少なくありません。そのため、多様性を促進するための取り組みが遅れることにつながっているのです。

また、多様性を実現するためには、差別や偏見に対する対策が必要です。特定の人種や性別、障がいのある人など、ある属性を持つ人々が差別や偏見に遭うことは残念ながらまだまだあります。企業においては、これらの問題に対する取り組みが求められるのです。

しかし、これらの課題に対する解決策もあります。まずは、多様性の認識を高めることが重要です。企業内での教育やセミナーなどを通じて、多様性を尊重することの重要性を従業員に浸透させることが必要です。

また、差別や偏見に対する対策には、企業内のポリシーやルールを整備することが有効です。たとえば、差別や偏見を禁止するルールを設けたり、障がいのある人の雇用促進に向けた取り組みを行ったりすることが挙げられます。

以上のように、多様性を実現するためには課題がありますが、それに対する解決策もあります。企業が積極的に取り組んでいくことで、多様性を尊重する社会の実現に向けて一歩近づけることができます。

5.ダイバーシティに関するアイエスエフネットの現状や取り組みの紹介
ダイバーシティを実現するメリットや実現するための方法について解説してきましたが、ここでは、アイエスエフネットが実際に取り組んでいるダイバーシティに関する取り組みについてご紹介いたします。

アイエスエフネットでは、多様性の効果にいち早く着目し、創業当初より「ダイバーイン雇用(30大雇用)」という活動に取り組んでまいりました。「ダイバーイン」とは「ダイバーシティ」と「インクルージョン」を掛け合わせた弊社の造語で、「ダイバーイン雇用」とは、さまざまな理由で就労が難しい方に対して、安心して働ける環境を創造し提供する取り組みです。

「ダイバーイン雇用」では、単に多様な人財を集めるだけではなく、多くの人へ可能性を与え、共存共栄し、多種多様な人が互いの考え方の違いや個性を受け入れながら、ともに成長していくことを目的としています。

「ダイバーイン雇用」に関連する取り組み

  • 結婚等によって姓が変わった場合、または特段の事情がある場合は、希望すればワーキングネームを使用できる。
  • 健康診断(婦人科検診)においては、まだ戸籍が変わらず、男性でも本人の希望があれば、婦人科検診(乳がん検診など)を受診出来るように手配をした実績がある。
  • 弊社の方針として、性別を採用の基準として重要視していない。そのため、エントリーシートでは性別を記載する項目は設けていない。
  • トランスジェンダーの方が、心の性別のトイレを利用することを共通認識とし、上長や相談窓口(ウィメンズカウンシル)への申し出があれば、全体へのカミングアウトをしなくても心に合ったトイレの使用を認めている。また、(もしもの場合)他社員から、異議があった場合に備えて相談窓口を設けている。
  • 管理職向けに年に1度、ダイバーシティ課が主体となり、講習会を実施している。また、アライ(※1)の表明をできる仕組み化の検討なども進めている。
  • 管理職社員に向けた専用サイトへLGBTQIAの方からカミングアウトを受けた際の対応など、職場における環境づくりに関する動画を掲載し、管理職の社員がいつでも確認して、正しい対応を学ぶことができるようにしている。
  • ダイバーイン雇用委員会(※2)を設置し、ダイバーイン雇用の実現に向けて取り組んでいる。同委員会を通じ、対象者に向けた新たな環境・仕組みを作りあげ、就労困難の方々や周囲の方々へ安心・安全な就労環境を築く(実現させる)活動を行っている。
  • 弊社で働くさまざまな立場の方の声を拾い集めたブランディングムービーの制作を通して、アイエスエフネットが創業当初から続けてきた多様な雇用機会の創出について、その取り組みを紹介している。
  • URL:https://youtu.be/PQaZjW8rsZM

  • 育児休業中は、女性のための相談窓口であるウィメンズカウンシルが定期的にコンタクトをとり、会社からの情報を伝達したり、近況を確認したりして、育児休業中に感じる疎外感等を和らげ、スムーズに復職できるよう支援している。
  • 妊娠・出産を控えた女性に複雑な制度の手続き方法などをフロー図を加えて説明した内容のアイエスエフネット独自に作成した冊子を配布している。

(※1)アライ(ally)とは「味方」を意味する単語で、そこから転じて「LGBTQIAを理解・支援する人」を指します。

(※2)ダイバーイン雇用委員会は、これまで取り組んできた30大雇用を「タイバーイン雇用」に改称したものです。さまざまな理由により就労に困難を抱える方に対して、弊社の大義であるEmploymentや、ESG/SDGsの実現を目指すための委員会です。

6.まとめ
ダイバーシティとは、異なる背景や立場を持つ人々が共存し、相互に尊重し合うことを意味しています。企業がダイバーシティを推進することで、社員の幸福度向上や顧客層の拡大など、多くのメリットが得られることがわかります。

しかしながら、ダイバーシティを推進することは簡単なことではありません。文化や価値観の違いからくるコミュニケーションの壁や、差別や偏見を抱く人々がいることなど、様々な課題があります。

それでも、ダイバーシティを実現するためには、社内外のコミュニケーションを改善することや、組織文化の変革を行うことが必要不可欠です。また、ダイバーシティを推進する上で重要なのは、単に多様性を受け入れるだけでなく、積極的に活用していくことです。

今後、ますますグローバル化が進む世界において、ダイバーシティは企業にとってますます重要な要素となっていくことが予想されます。企業がダイバーシティを推進し、従業員や顧客とのコミュニケーションを改善し、新たなビジネスチャンスを見出していくことが求められています。

今回の記事が、ダイバーシティに関する理解を深め、企業がダイバーシティ推進に向けた取り組みを行う上でのヒントになったことを願っています。

※この記事は、公開時点の情報をもとに作成しています。