誰もが安心して働ける環境を支える仕組み「EMD」

アイエスエフネット独自の取り組み「EMD」について

ダイバーイン雇用を支える一つの取り組みとして「EMD」という独自の取り組みがあります。
EMDは、「EMployment Doctor」の略称で、アイエスエフネットの造語です。直訳すると、「雇用、医者」といった意味になりますが、このEMD会議では、就労に困難を抱える方が安心して勤務ができるように、会社として配慮や支援方法を協議して就労支援することを目的にしています。

お客様先でのトラブルや困難な状況があったとしても、その理由がその特性によるものであれば本人の努力の問題ではなく配慮が必要であるといえます。そのため、その配慮や支援方法を専門医師の助言を受けて検討しています。

▽ 関連ブログはこちら
https://www.isfnet.co.jp/isfnet_blog/index.php/2021/06/10/1900/
https://www.isfnet.co.jp/isfnet_blog/index.php/2021/07/29/1929/

EMDの内容

このEMD会議は、2013年頃より実施しており、当時、北里大学(現在:産業医科大学)の江口 尚 医師が当社の取り組みに共感いただき、手弁当で関わってくださっています。

現在も、産業生態科学研究所 産業精神保健学研究室での教授業務で多忙の中、アイエスエフネット社員の相談について支援方法を医師の観点よりご教示いただいています。
また江口医師は、職場の心理社会的要因や治療と仕事の両立支援、障害者や中小企業の産業保健をテーマに研究もされています。専門家のご助言、的確なアドバイスのもと会議を運営しています。

EMDの体制

社内外連携を行っており、産業医科大学医師とも連携しています。

EMD体制図

産業医科大学 江口 尚 医師のコメント

渡邉社長が時間を割いて指示を出し、一人ひとりに対応しているところが非常にユニークだと感じます。また、本会議にはさまざまな方が参加し、関わっています。それだけの時間と人を割いて議論することが体制としても素晴らしいです。アイエスエフネットは、「限りがある資源の中で一人ひとりの特性を活かしている」というイメージがあります。きれいごとを並べるだけではなく、何より実践することが重要だと気づかされました。軌道修正をしながら、事業として取り組み、障がいの受容を促している点が他社にはない観点であると思います。

近年は、社会的にも意識が変化してきています。少子高齢化により人口が減少している中で、より、多様性を認めていかないといけない時代になってきていると考えています。
現在オンラインでの参加がメインとなっていますが、新しいアイデアをご提案できるよう、今後も尽力いたします。

EMD会議の効果

主に、5つの効果が期待できます。

  1. 社員の特性への配慮や会社の支援が明確になり、周囲の人が支援しやすい環境を作れる
  2. 社員の生きづらさや働きづらさの原因がわかり、ご自身と向き合いやすくなる
  3. キャリアを諦めず、継続して働くことができる
  4. グループ会社(福祉事業所)への転籍や連携がスムーズになる
  5. 顧客先での指摘が減るなど、社員への配慮や理解が深まる

EMD会議では、トラブルを繰り返している社員の原因を明確にしています。こうすることで、ご自身だけでなく周りの方も配慮やサポート方法がわかり、それぞれに適した業務や支援を提供できています。もちろん、会議参加者は支援対象者の関係者のみとしており、守秘義務を遵守したうえで運用しています。
そして、EMD会議からのサポート体制を強固なものにしているアイエスエフネットの強みとして、部門を超えた複数部門連携の実践です。このEMD会議にて、外部医師、グループ会社、社内の部門を超えた連携が実現できています。

EMD会議のメリット

  1. 社員の努力不足だと考えられていた原因が、そうではないことが明確化され、ご自身の不安が無くなる。また、安心して働くことができる
  2. お客様先の社員の特性への理解が進み、配慮ある環境で勤務が継続できている
  3. 障がい者手帳取得のサポートを受けることができ、一人で悩まず、専門家に相談ができる
  4. さまざまな特性や個性を当たり前として捉える社員と働くことで気持ちが楽になる

当社はこの取り組みのように、さまざまな理由で就労が難しい方に対して、安心して働ける環境を創造し提供しています。またこのようなダイバーイン雇用が、当たり前であるという文化(社風)があります。
EMD会議はそのようなダイバーイン雇用の実現になくてはならない取り組みの一つです。

人それぞれ違って当たり前であり、その違いを強みに変える未来を応援するために、今後も尽力してまいります。

EMDの好事例

事例 ①

○ 障がい者手帳取得後、グループ会社へ転籍、現在FDM(※1)のITエンジニアとして活躍

お客様先でエンジニアとして勤務していましたが、勤務先でコミュニケーションに悩み、メンタル不全を繰り返していました。EMD会議で支援を継続している中で、発達障害ADHDの診断を受け、手帳取得。特性を理解した支援員がいる環境を希望され、現在グループ会社で活躍中です。

事例 ②

○ 障がい者手帳取得後に、合理的配慮が明確になり将来の不安が軽減

苦手な業務に対して懸命に支援を行っておりましたが、心への負荷と将来への不安が強くなりメンタル不全により長期間休職となった方がいらっしゃいました。EMD会議にて継続支援後、面談を繰り返し発達障害診断と手帳取得し適性に合わせた業務に従事いただきました。現在は、勤務を継続中で、将来の不安も軽減できており安心感を持って従事いただいています。

事例 ③

○ グループ会社のリワークを利用し、復職、エンジニアとしてキャリアアップができている

メンタル不全で長期休職となった方が、休職期間中にグループ会社(※2)にてリワークを3カ月間行い、復職後ITエンジニアとしてお客様先にてご活躍中です。復職後もグループ会社の定着支援として定期的な面談を実施し、その方の上司と連携し安定勤務ができるよう支援を継続しています。

※1 アイエスエフネットグループでは障がいのある方を「未来の夢を実現するメンバー」として、FDM(Future Dream Member)と呼称しております。
※2 株式会社アイエスエフネットジョイ(公式HP:https://www.isfnetjoy.com/